図と地の関係&フィボナッチ数列〜デザインのヒント〜
タイトルの「図と地」と「フィボナッチ数列」。あなたが学生時代の頃に必ず教科書に載っていた言葉ですが、聞き覚えはありますか?
大学なんて行ってないからわからない〜。ではなくて中学校の話です。「図と地」は美術の教科書に。フィボナッチ数列は数学の教科書のコラム欄に必ずと言っていいほどあったはず。
「図と地」
ゲシュタルト理論の一つの考え方です。「ゲシュタルト」ってなんか聞いたことあるけど誰なの?と思っている方はググってください。軽く説明するならば、人の名前ではありません。笑
ゲシュタルトは(Gestaltは)ドイツ語で「形、形態」を意味する言葉で、ゲシュタルト心理学にて「部分や要素ではなく、全体性や構造に重きをおいて」物事を捉えたり考えたりすることを言います。
あと、ちょっと豆知識付け加えます。
ひらがなの「ね」という字を1,2分書き続けていくと、「あれ、”ね”ってこんな字だっけ??」ってなります。これは部分がそれぞれ切り離されて捉えられて全体性を失うことから生じます。これを「ゲシュタルト崩壊」と近年では言う様になりました。
で、話を戻してそのゲシュタルト理論をデザインに活かせるねという性質を持つのが「図と地」です。(実際はもちろん心理学でも使われています)
次のイメージをご覧ください。
あなたはこれをなんだと思いましたか?
教科書に載っているかの有名なイメージを少しふざけてリメイクしたものです。
あるひとは、「スキンヘッドのおじさん同士が唇をとがせてチューをしそうな状況」に見えるかもしれません。
またある人は「ただの花瓶」にしか見えないかもしれません。
そしてある人は「それ以外の何か」に見えたかもしれません。
ここで、「図と地の説明」。
人間の知覚の構造は、視覚刺激を「図の要素」と「地の要素」に分化して認識します。図の要素には、地の要素よりも強く認識され記憶されやすいのです。
先ほどの絵が、おじさんに見えたのならば、おじさんを図として捉えています。花瓶ならばその逆です。
図と地の関係性を捉え、図として捉えてもらうのに有効な手段があります。
次のイメージをご覧ください。
(画像が荒くなったのには理由が・・・。)
会社などの会議や営業などでパンフレットはよく使われるかと思います。
例えば、営業等で外部の人に会社のイメージだけでも残したい場合にロゴを強調したいとします。
そこで、aとbならば記憶に残りやすいのはどちらだと思いますか?
正解は「b」です。人間は無意識のうちに「構図の下の方にあるものを図として捉える」特性があります。これは、この様な場合だけでなく多くの場所で用いることのできる技術です。
あるデザインをして、主要な強調したいものは下の方に持っていく。ロゴでも広告でも建築でも。
最後に
「図と地」についてが少し予定よりも長くなってしまったので、「フィボナッチ数列」についての記事は次回にまた書きます。
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