日本庭園〜デザインに活かす〜
日本庭園と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか??
日本庭園は、日本だけでなく海外でも多くの評価やファンを得ています。
海外では、10億円以上の資産を持つ投資家や俳優が自宅や別荘に日本庭園を本格的に作ることもあるほどです。
日本庭園とは・・・
構成要素は、池(水)・植栽・庭石・景物が主です。
池(水)
日本において、水は古来より神聖な場所や儀式に用いられてきました。現在でも神社では手を清めてからお参りをすることが当たり前になっています。
植栽
植物は四季折々の楽しみ方できますが、どれもいつかは枯れてしまいます。人間と同じように終わりがあり、栄枯盛衰の「栄枯」です。
庭石
石は水と同様に神聖なものです。また、古来より神が宿るといわれ大切に扱われてきました。
景物
景物にはいくつも種類があります。
敷石や灯籠など人の手によって作られたものです。
日本庭園として有名な
重要文化財 世界遺産 龍安寺
京都の右京区にある臨済宗の寺院です。ちなみに読み方はりゅうあんじではなく「りょう」あんじです。枯山水の石庭で有名なので行ったことや見たことのある人も多いのではないでしょうか。枯山水は実際には水を使っておらず石や草木で表現します。言い換えると、砂利や石で水を表現しているのです。
京都フリー素材(http://photo53.com/ryoanji1.php)
この龍安寺の石庭には水を表現した白砂利のなかに15の石が配置されていますが、どの角度から見てもその全ての石が15個見えないように配置されています。これは「不完全さ」を表しており、宗教の教えを感じさせます。また、この庭園を造った者の正体は今も、誰も知ることがありません。これもまた、感慨深いです。
デザインを考えるときに、ものの配置というものは試行錯誤して作られます。日本庭園も遠い昔から配置についてよく考えられ現代に多くの影響を残しました。例えば、庭園内だけでなく庭園から見える外の景色を取り入れる技法である「借景」は庭園のみの配置だけではなくソトにも目を向け考えられたものです。
デザインを考えるときにも、何か自分が勝手に決めた枠にとらわれて狭い範囲で悩むことは多々あります。借景の考え方ではありませんが、何かデザインで迷ったときには枠にとらわれずにソトに目を向け再度考え直すことも大切だと思います。
自分の興味のあるデザインを見るだけでなく、日本庭園など興味がないという人も何か新しい発見ができるかもしれませんので、ぜひ様々なところに足を運んで見てください。