アイコンを記号論で読み解く〜アイコン・ダイアグラム・ロゴ〜

 

アイコンについてちょっと一緒に考えてみましょう。

今回のテーマは「アイコン・ダイアグラム・ロゴ」です。

 

少し寄り道的ですが、建築家のレム・コールハース(Rem Koolhaas)を御存知でしょうか?

彼の作品にはある特徴がありまして、というか表現の方法に特徴があります。

 

レム・コールハース(Rem Koolhaas)

オランダの建築家で、設計のみならず都市や建築理論など多岐にわたり執筆も行う。建築家であれば知らない人はいないであろう有名建築家。また、彼の代表作(著書)『錯乱のニューヨーク』や『S,M,L,XL』などは建築家であれば誰しも読んだ経験があるほど有名。

彼は、世界中で仕事をする設計事務所OMA(Office for Metropolitan Architecture)とその研究機関「AMO」を主宰する建築家です。

 

 

建築家は、自らの設計した作品をどのような計画でどのような思想で設計したのかを説明するために、顧客に対してダイアグラムやコンセプトを用いてプレゼンすることが通例です。

 

レム・コールハース(Rem Koolhaas)は「設計した建築作品をアイコン化して表現するブランド」のようなものを確立しました。

 

例えば、五重塔をアイコンで表すとこうなる。

五重塔

五重塔

 

 

( ※私がここでいうアイコンで表現する建築は、業界で言われる「アイコン建築」とは異なるので誤解しないでください。)

 

 

次に、彼のことを知らない人のために・・・

彼のダイアグラム作品を。

 

OMA’s Downsview Park project

OMA_s Downsview Park project

CCN Tower

CCN Tower

 

 

ここでダイアグラムとは・・・

簡単に言えば、「思想や計画を図や絵で表現したもの」です。

 

余談ですが。
OMAといえば、簡潔にダイアグラムで建築を説明することで有名です。それを真似た建築学科の学生の間では、必ずと言っていいほどOMA的なダイアグラムを用いた設計がなされます。笑

 

アイコンとは「あるものを図や絵で表現すること」であり、あるものが存在しないものだとしても表現できうるのです。

 

ダイアグラム

記号とは面白いです。先日お話しましたが、記号論におけるソシュール/パースが記した記号に絡めて考えていきます。

 

記号は

シンボル (Symbol/symbolic)

アイコン (Icon/iconic)

インデックス (Index/indexial)

の3つの様相があると説明しました。

 

はて、ダイアグラムはどれに該当できるか。と考えると、アイコンを含んでいることはわかる。アイコンで表現される建物や部屋、通路、ヴォイドが認識できるでしょう。インデックスはどうか。インデックスは、記号表現を恣意的でなく、物理的に(かまたは因果関係で)記号内容と直接的に結ばれている様態ですが、これですね。

 

つまりダイアグラムとは、記号そのものの実体を伝えることを主体とすればアイコン(記号)であり、記号内容を伝えることを主体としてはインデックス(記号)である、といえます。ついでに言えば、建築で用いられる際には、無意識に見る側がアイコンをアイコンとして扱わずに、(つまり無意識にアイコンを認識でき)単にインデックスとして扱っている気がします。

 

ロゴって

ダイアグラムだけでまだまだ話せることはありますが、ロゴはどうでしょう。ロゴは記号と同様にあるものを表すわけですが、あるものを表す記号をデザインした(表した)ものがロゴというものになります。例えば、社名では文字を使うわけですが、「シンボルマーク」と呼ばれるロゴは文字をデザインしたものです。そう、文字も記号なのです。文字はシンボル(記号)に当てはまります。(シンボルとは、記号内容と異なり恣意的であり、慣習的でありその関係は学習されなければならない態様です。)

ロゴは、記号をデザインした記号になります。そして、それがデザインと呼ばれます。

 

 

デザイナーは、目に見えたものをどのように表すかを考える。一般の人が理解している記号をデザインし直して記号とする。しかし、一般の人が理解できない記号やものもデザインすることがあります。それがデザイナーです。

 

 

 

R design のデザイナーを見る。

 

 

 

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